J2K ビッグ・ラリアート・フェスタ 2002 A
2002年9月22日・羽曳野コロセアム・サブアリーナ

レスラーは死ぬまでレスラー・・・


  

遂にと言うか、民安亮引退試合・・・5人掛けが始まろうとしていた。
長州力引退試合を焼き直しての、5人掛けと言う事らしねんけど?
俺・・・長州引退の頃は丁度ブランクの時期やったから判らんねん。
長州が引退したのも、猪木の引退も、全然知らんかったもんなぁ・・・

何故か?笑顔でリング・インする吹本・・・ここは笑うトコとちゃうで?
最後を介添えする5人が見つめる中、神妙な面持ちで民安が登場。
果たして、その胸中は・・・燃え尽きた充実感か?何かへの怒りか?

  

いつの間にか?エプロンサイドには、セコンドにつく守屋の姿が・・・
白地に赤く染め抜かれた文字はJAPAN PRO-WRESTLING 2000。
一度はこの名前の下で、共に夢を分ち合おうとした民安と守屋・・・
歩む道は別々となってしまったが、元を辿ればその源は同じはず。

  

その守屋が見守る中、一番手のZUNZUNが民安に突っかけた。
「お前が言い出した事やないんか!最後までやり通せや、ボケ!」
革命維新軍の黒いシャツを広げて、民安を問い詰めるZUNZUN。
一瞬戸惑った民安に、ZUNZUNは凄まじいまでの猛ラッシュを・・・
まるで民安に渇を入れるかのように張り手や蹴りをぶち込んで行く。
果たして5分間・・・この怒涛の勢いは保たれているのであろうか?

  

案の定、スタミナ切れとなったZUNZUN・・・そやから言うてんのに?
自らが結成した革命維新軍の中途半端な幕切れを詫びるかのように
右腕一本だけでZUNZUNに胸一杯の想いを叩き込んで行った民安。
果たして、その胸中は・・・力不足を詫びての事か?何かへの怒りか?

  

別れを惜しむかのように最後のスタミナを振り絞ってZUNZUNが攻めた。
本日2試合目・・・しかも自らの限界(3分間らしい?)を遥かに超えている。
そこにレスラーとしての意地と、民安への想いを垣間見たような気がした。
民安亮(時間切れ引き分け)ZUNZUN

 

2番手で登場の人情家・川口は、すでに涙目となっている。
ここで「蛍の墓」のVTRが流されている訳でも無いのに・・・
キャバクラ姉ちゃんの身の上話を聞かされている訳でも無い。
しかし!間違いなく、川口の目からは涙が溢れ出ていた・・・

  

袈裟斬りチョップ、サソリ固めと・・・歩んで来た道程を確かめるかのように
玉田相手に次々と己の持ち技を仕掛けて行く民安・・・さて、その胸中は?
「JP2000の今後を頼むぞ!」との想いか?それとも、何かへの怒りか?

  

玉田の重い蹴りが速射砲のように決まって行く、ボロ雑巾状態となる民安。
「おいしいなぁ・・・」羨ましそうに民安を、じっと眺める吹本が印象的だった。
民安が玉田の蹴りを受けきったところで、第2試合もタイムアップ・ドロー・・・
玉田の涙ながらのメッセージ、民安は何を想いながら受けていたのだろう?
民安亮(時間切れ引き分け)玉田耕一

  

間髪入れず得意の空中殺法で宙を舞い、民安に襲い掛かるのは藤原卓也。
その華麗なフォームで観衆を魅了する・・・鳥取から来た疲れもなんのその。
あとはレスラーとしての癖を出すと言うか?アクの強さを得るのが課題か?

  

負けじと、雪崩式フランケン・シュタイナーで反撃する民安だったが・・・
自らの脳天をマットにグサリと突き立てて・・・フラフラとなってしまった。
ここ羽曳野でもブリティッシュ・スタイルが根付いていると言う証明か?
「おいしいなぁ・・・」またまた、羨ましそうに民安を見つめる吹本だった。

  

気を取り直して、プランチャーまでをも見せたが・・・場外で悶絶する民安。
羨望の眼差しで・・・いやいや、心配して駈け寄り民安を気遣う吹本の姿。
「ちょっと、おいし過ぎやないですかぁ?僕にも残しといて下さいよ・・・」
やっぱり心配するより、嫉妬心(ジェラシー)の方が強かったみたいやね?

  

ファイヤーバード・スプラッシュ(でええんか?)で勝負を賭けた藤原だったが
「これ以上は無い・・・と言う位に気持ち良く決まった。」(試合後、民安亮:談)
豪腕ラリアートで、これまたマットに脳天を突き刺しながら藤原は大の字に・・・
ピクリとも動かない藤原に第3試合の吹本の姿がオーバーラップされて行く。
民安亮(体固め)藤原卓也

  

藤原の安否を気遣いながら駆寄る山本と吹本の姿で館内に緊張感が走る。
しばし藤原の元に寄添った後、次の対戦を巡って小競り合いの山本と吹本。
「ゴルァ、民安!引退なんかしやがって、隙が有ったらかかって来んかい!」
山本を制して飛び出したのは吹本、先程の負傷を感じさせない元気ぶりや。
次のアクションを起こしたと言う事は・・・大層な怪我に至らんかったんやね。
試合後藤原にこの瞬間の気持ちを尋ねてみると、返って来た言葉はというと
「おいしいなぁ・・・と思いました。」周りの心配を他所に、アンタは吹本かい!

  

凄まじい勢いで突っかけた吹本だったが、豪腕ラリアートで返り討ちに・・・
「今日は、この辺で堪忍しといたろ・・・かな?」負けん気は人一倍強そうや。
場外乱闘後、机の上に民安を寝かせて死のダイブを敢行せんとする吹本。
コーナーポスト頂上に上り立とうとした、まさにその時!おむすびコロリン?
後頭部強打による後遺症の為か?失速する吹本・・・「おいしいなぁ・・・?」
転げ落ちて再びコーナーに上がるまでの間・・・じっと我慢の民安であった。
「俺はアノ時は膝を立てた体勢にして吹本のダイブを受けたかったんだよ。
けど膝を立てようにも、誰かが俺の足を掴んだまま離さなかったんだよな。」

その犯人が判明しました・・・藤原卓也です、直ちに鳥取に強制送還します。

  

吹本のダイブで悶絶している民安を気遣う守屋の姿が見える。
調子に乗った吹本は「お待たせしました!スーパーフラ〜イ!」
こちらは民安の事など、お構い無しで・・・かなりの覚醒状態か?
自分が吹本賢児であると言う事さえも、見失ってしまっている・・・
最後は吹本が片エビで押さえ、民安越えを果たした一戦だった。
吹本賢児(片エビ固め)民安亮

  

民安亮・現役最後の相手を務めるのはJP2000次期エース候補の山本淳福。
「これ以上は無い・・・と言う位に気持ち良く決まった。」(試合後、民安亮:談)
あれぇ?さっきも言ってたような気もするけど・・・まあええわ、とにかく言うてた。
二つ折れになり悶絶する山本・・・おいおい、今時の携帯電話じゃあるまいし?
はっはぁ〜ん、若い姉ちゃんに送信ボタンを押して貰おうという魂胆なんやな?
「送信ボタンはココ、ココ・・・いや、そうじゃなぐで・・・」乗りのいい山本だった・・・

  

スピアーから御馴染みのスーパーフライでペースを掴もうとした山本だったが
雪崩式のブレーンバスターで反撃を許す・・・写真通り、そのまんまやんけ!
もう一回、送信ボタンを押して貰いや・・・若いから、すぐに元気になるやろ?

  

何度も、何度も、右腕が折れんとばかりにラリアートをブチ込んで行く民安。
まるで次期エース候補の山本に、体を張って維新魂を伝授しているような?
何度も、何度も、立ち上がっては、歯を食いしばり民安に向かって行く山本。
意識朦朧の山本は雄叫びを上げ無意識ながらも民安にぶつかって行った。
それは見た目には不細工で、とてもプロレスなんて呼べる代物では無い・・・
しかし見る者の胸を打つ何かが、確かに山本の姿から感じ取る事が出来た。
その胸一杯のプロレスを、あえて両手を差し出し受け止めて沈む民安亮・・・
ここに民安亮・引退試合・・・維新革命魂伝承式は壮絶なる幕切れとなった。
山本淳福(体固め)民安亮

  

そっと肩を叩き、5人掛けという想像を絶する引退試合を闘い抜いた民安を
握手で迎え労う守屋、その光景を複雑な表情で見つめていた花山車広報。

  

リング上では引退撤回を求めて、激闘を終えたばかりの山本が叫ぶ。
敵となり、味方となり、民安を支えて来たZUNZUNには黙って一礼を。

  

怪我の為、引退試合で肌を合わす事が叶わなかった川口も引退撤回要求。
J2Kの盟友でもある吹本との別れ際は・・・やっぱり笑顔で握手を交わした。

  

まだ民安越えを果たしていない藤原も、民安の現役続行を望んでいる。
最後は、やはりこの男・・・浪花純情物語・男玉田が泣いているぞ!

 

民安亮は自分自身の気持ちにケジメをつける為(?)
この日は友人・知人をリングサイドに招待していた。
花束を贈られ、一瞬顔をほころばす場面もあった・・・

  

最後に10カウント・ゴングが鳴らされ、レスラー民安亮は静かに幕を閉じた。

  

その後、最後に全員で記念撮影を・・・レスラー民安亮は静かに幕を閉じた。
  

その後、恒例の記者会見が行われ・・・レスラー民安亮は静かに幕を閉じた。
閉じた・・・閉じた・・・って、いつになったら引退して閉じるんやっちゅうねん!

  

民安さん・・・俺からも引退とやらのハナムケとして、一言だけ言わせて貰うなら
プロであろうが、アマであろうが、レスラーつーもんは死ぬまでレスラーやで・・・
例えリングに上がらなくとも、世間とのプロレスは永遠に続けて行って欲しいな。
ボロボロのヨレヨレになったとしても・・・いくつになってもレスラーに引退は無い。
それが有田流(生GONキャスター)・・・いや、俺流のプロレスの見方教えます?
またリングが恋しゅうなって、疼いて来んのを密かに待ってんで!ケケケケ・・・

  

「まずは親から貰った、この頑丈な右腕に感謝します・・・」
このフレーズ・・・昨夜徹夜で考えて、言うトコ狙ってたんとちゃうの?
意外と淡々とした表情で自身の引退について語り出した民安亮・・・
だが遠くを見つめるような目が引退する事の寂しさを物語っていた。
いや、ひょっとかしたら・・・この目線も、狙ってのものだったのかも?
「おい金澤!・・・もとい、おいMASA吉!・・・お前は、どう思う?」

  

守屋代表を招き入れ、民安、守屋の両雄が並んでの会見が行われた。
実に感慨深い二人のツーショットに・・・お〜い、吹本!寝るんじゃねぇ!
民安・守屋・吹本・・・この3ショットを見るのは、これが最後となるのか?
少なくとも吹本が居眠りしての3ショットは最後になるやろなぁ?多分・・・

  

今後はJ2K代表として吹本のプロデュースに専念していくと語った民安。
最後は守屋とガッチリ握手を交わし、抱き合いながら会見を締め括った。
今後は両雄による協調路線が敷かれ、JP2000を盛り上げて行くのか?
いや、もう一波乱、二波乱?きな臭い匂いがしてるように思えてならない。
やっぱり今後も目を離す事は出来ないJP2000&J2K羽曳野戦国合戦。
次回興行は11月4日・午後1時・・・場所はいつもの羽曳野コロセアム・・・
俺はその日、SGP@デルアリと被ってるから見には来られへんなぁ・・・
俺って奴は・・・言うてる尻から、いきなり目を離してしまうんかい!
*編集部注*
JP2000は大体3時頃に終了するから、当日はWヘッダー可能です。
羽曳野には、どインディ・ファン待望のアノ選手も初登場するらしいから
当日は是非共、5時開始のSGP@デルアリと合わせて御観戦下さい。
これも立派な(?)抱き合わせ商法と呼んでええんやろか?




今後の去就が注目されるJ2K代表・民安亮。
意味ありげな笑みを浮かべながら控室に・・・
一発逆転を狙う、その起死回生の手段とは?

J2K旗揚げ戦を復習する。

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